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Excel Exercise Case PackExcel基礎演習案件パック

演習用 / Excel基礎

「案件」を受けて、Excelで一次対応(最初に受けた人が、その場でできる範囲まで対応すること)する練習

未経験からサーバー構築・運用エンジニアを目指すうえでも、資産管理表、問い合わせ対応記録、報告資料など、Excelで表を作り・集計し・報告する場面は多くあります。ここではCLI操作演習案件パック(CLIは、画面に文字でコマンドを打ち込んでパソコンを操作する方法のことです)と同じ「案件」形式で、全14件を並べています。並び順は、元のデータを見るだけで影響の小さい案件(Lv.1)から始まり、みんなで使うルールに関わる変更(Lv.3)で終わります。

依頼を受理現状を確認方針を判断最小限を実行結果を確認記録・報告
このパックの約束

すべて架空の職場・架空のデータを使った学習例です。実際の業務ファイルを操作する前には、必ずコピーを取り、共有ファイルなら同時に編集していないかを確認し、個人情報を含む列は、事前にマスキング(氏名などを別の文字に置き換えて、誰の情報か分からなくすること)または削除します。掲載する依頼文・数値・実行結果はすべて架空の学習例であり、実務での操作実績を示すものではありません。

本文中の表は、範囲を選択してコピーし、Excelのシートのセルに貼り付ければ、そのまま演習用データとして入力できます(.xlsxファイル自体は配布していません)。また本文は、Windows版Excelのリボン(画面の上に並ぶ「ホーム」「データ」などのタブと、その中のボタンの帯)表示を前提としています。Mac版やGoogleスプレッドシートでは、メニューの場所や名称が異なる場合があります。

1. 案件対応の合言葉「受・見・決・動・確・残」

CLI操作演習案件パックと同じ合言葉を、Excel操作版として使います。どの案件も、この6文字の順番で進めると迷いません。

合言葉:受・見・決・動・確・残うけ・み・けつ・どう・かく・ざん

受理 → 現状を見る → 方針を決める → 実行する → 確かめる → 記録を残す、の順です。

  1. 受理(誰から・何を・優先度)

    依頼者、対象ファイル、期限、共有ファイルなら誰が今開いているかを確認します。分からなければ聞き返します。

  2. 現状を見る(変更しない)

    まず対象ファイルのコピーを取り、コピー側で今のシートの状態・数式・データを確認します。

  3. 方針を決める

    どの関数・機能を使うかを決め、影響範囲(このセルだけか、シート全体か)と戻し方(元ファイルの保管場所)を確認します。

  4. 実行する

    決めた最小限の操作を行います。数式はまず一部のセルで試してから、必要な範囲だけにコピーします。

  5. 確かめる

    別のセルや電卓で検算し、表示された値が正しいかを確認します。表示されただけで成功と決めません。

  6. 記録を残す

    何をどのセルに入れたか、事実と推測を分けて、依頼者や関係者へ報告します。

2. 難易度の見方

各案件のラベルは、操作が元データに与える影響の大きさを基準にしています。CLI操作演習案件パックと同じ色分けです。

このLv.1〜3は技術的な難しさの順ではなく、あくまで元データへの影響度による分類です。

Lv.1参照・表示のみ

見て終わる案件

既存データを変えず、集計結果や絞り込み結果を表示するだけです。何度実行しても安全です。案件01・03・07・10が該当します。

Lv.2作成・追加

列や表を追加する案件

新しい列、数式、シート、入力規則などを追加しますが、元のデータ自体は残ります。案件02・04・05・06・08・09・11が該当します。

Lv.3変更を伴う

ルール・仕組みに関わる案件

シートの保護やマクロなど、ファイル全体の使い方に関わる変更です。事前バックアップと周知を徹底します。案件12・13・14が該当します。

3. 入力・書式の基本案件

案件 No.01 | Lv1 整形のみ

機器一覧表を見やすく整えてほしい

依頼:「今度、総務・営業・開発・情シスに新しく配属される人たちに配る資産管理表があるんだけど、見た目がバラバラで正直ちょっと読みにくいんだよね。中身の数字とかは触らなくていいから、見出しをちゃんと目立たせたり、罫線を引いたり、単価とか日付の表示をきれいに揃えたりして、見やすく整えてもらえないかな。」

新配属メンバーへ配布予定のIT資産管理表が対象になる。この表は、資産番号・部署・機種・状態・購入日・保証終了日・単価(円)の7列×8行のデータを持つ。値はこのまま変更せず、見出しの太字・背景色、罫線、列幅、単価の桁区切り表示(3桁ごとにカンマを入れて数字を読みやすくする表示、例:128,000)、日付の表示形式(yyyy/mm/dd)だけを整える。

  1. (受)依頼者から配布対象(新配属メンバー)と対象範囲(8行の資産管理表)を確認し、値そのものは変更せず見た目だけ整えてほしいという依頼内容を確認する。
  2. (見)現状のシートを開き、見出し行に書式(太字・背景色)が付いていないこと、単価列がただの数値のままで桁区切りがないこと、購入日・保証終了日の表示形式がバラバラであることを確認する。
  3. (決)セルの値には一切手を加えず、見出しの太字+背景色、罫線、列幅、単価列の桁区切り表示、日付列の表示形式統一という書式変更のみで対応する方針を決める。
  4. (動)見出し行(1行目)に太字と背景色を設定する。次に表全体へ罫線を引き、列幅を内容に合わせて調整する。最後に、単価列へ桁区切りスタイル(3桁ごとにカンマを入れる表示形式)を、購入日・保証終了日の列へ yyyy/mm/dd の表示形式を設定する。
  5. (確)まず各セルをクリックして、数式バー(セルに実際に入力されている値をそのまま表示する画面上部の欄)を確認する。単価は128000のまま、購入日・保証終了日も整形前と同じ値のままで、中身が変わっていないことを確かめる。そのうえで、見た目が単価「128,000」、日付「2023/04/03」のように統一されているかを目視でチェックする。ここまで確認できれば、「表示だけを変え、データは1件も書き換えていない」と説明できる。
  6. (残)依頼者へ「値は一切変更せず、見出し・罫線・列幅・桁区切り・日付表示の書式のみを整えた」ことを報告し、配布用として問題ない状態になったことを伝える。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
整形前のIT資産管理表(値は8件とも変更なし)
資産番号部署機種状態購入日保証終了日単価(円)
AST-001総務ノートPC(LX-14)稼働中2023/04/032026/04/02128000
AST-002総務デスクトップ(DT-9)予備2022/09/152025/09/1498000
AST-003営業ノートPC(LX-14)稼働中2024/01/102027/01/09132000
AST-004営業ノートPC(LX-12)故障2021/11/202024/11/19118000
AST-005開発デスクトップ(DT-11)稼働中2023/06/012026/05/31145000
AST-006開発ノートPC(LX-14)稼働中2024/03/122027/03/11132000
AST-007情シスサーバー機(SV-2)稼働中2022/02/082025/02/07310000
AST-008情シスノートPC(LX-12)廃棄2020/08/192023/08/18118000
操作手順(リボン操作)
  1. 見出し行(1行目、A1:G1)を選択し、『ホーム』タブ→『太字(B)』をクリックする
  2. 見出し行を選択したまま、『ホーム』タブ→『塗りつぶしの色』アイコンから背景色を選ぶ
  3. 表全体(A1:G9)を選択し、『ホーム』タブ→『罫線』→『格子(すべての罫線)』を選ぶ
  4. 列の境界線をダブルクリックするか、『ホーム』タブ→『書式』→『列の幅の自動調整』で列幅を内容に合わせる
  5. 単価列(G2:G9)を選択し、『ホーム』タブ→『桁区切りスタイル(,)』ボタンをクリックする
  6. 購入日・保証終了日の列(E2:F9)を選択し、右クリック→『セルの書式設定』→『表示形式』タブ→『日付』→『種類』から yyyy/mm/dd 形式を選ぶ

桁区切りスタイルや日付の表示形式(セルに入力されている値の見た目だけを変える設定)は、セルの中身の数値そのものを変えるわけではないので、128000という値は内部ではそのまま残りつつ、画面上は「128,000」と表示されます。日付も同じ考え方で、実際の値(内部的には日付を表す通し番号)は変わらず、表示のしかただけが yyyy/mm/dd に揃います。そのためこの案件で行っている太字・背景色・罫線・列幅・表示形式の変更はすべて「見た目の調整」であり、後で集計や検索に使うデータそのものには影響しません。

安全メモ:整形前に念のためファイルのコピーを取ってから作業すると安心です。桁区切りや日付の表示形式はあくまで見せ方を変えるだけなので、セルを選んで数式バーの中身を確認し、元の数値・日付が変わっていないことを必ず確認してから配布してください。

案件 No.02 | Lv2 入力規則の追加

入力ミスを防ぐプルダウンを設定してほしい

依頼:「この前、資産管理表の状態欄に『使用中』とか『稼働』とか、人によって書き方がバラバラで困ったことがあってさ。今後は稼働中・予備・故障・廃棄の4つだけをプルダウンで選べるようにしておいてもらえる?今入ってるデータはもうその4つのどれかになってるはずだから、そこは触らなくて大丈夫。」

No.1と同じ8行のIT資産管理表が対象で、「状態」列には稼働中/予備/故障/廃棄の4種類のみを使う運用にしたい。既存の8件の値は、すでにこの4種類のいずれかに収まっている。そのため値は変更しない。制限するのは今後の入力だけで、プルダウン(セルをクリックすると候補の一覧が表示され、その中から選んで入力できる仕組み)を使う。

  1. (受)依頼者から、過去に状態列で「使用中」「稼働」などの表記ゆれ(同じ意味なのに、人によって書き方が違ってしまうこと)が起きた経緯を聞く。あわせて、今後許可したい4つの選択肢(稼働中/予備/故障/廃棄)を確認する。
  2. (見)対象の状態列(D2:D9)を確認し、既存の8件の値がすでに稼働中・予備・故障・廃棄のいずれかに収まっていて、値の修正は不要だと確認する。
  3. (決)既存データには手を加えず、データの入力規則(セルに入力できる値の種類を制限する機能)の「リスト」を使って今後の入力だけを4種類に制限する方針を決める。
  4. (動)D2:D9を選択し、『データ』タブ→『データの入力規則』→『リスト』を選び、元の値に「稼働中,予備,故障,廃棄」を入力して設定する。
  5. (確)設定後にD列のセルを選ぶとプルダウンの矢印が表示されることを確認し、試しにリストにない「使用中」と入力するとエラーメッセージが表示されて入力できないことを確認する。
  6. (残)依頼者へ「状態列にプルダウンを設定し、今後は4種類以外を入力できないようにした」ことと、「既存の8件はすべて対象の4種類内だったため値は変更していない」ことを分けて報告する。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
IT資産管理表(状態列にプルダウンを設定する対象、8件とも既存の4分類内)
資産番号部署機種状態購入日保証終了日単価(円)
AST-001総務ノートPC(LX-14)稼働中2023/04/032026/04/02128000
AST-002総務デスクトップ(DT-9)予備2022/09/152025/09/1498000
AST-003営業ノートPC(LX-14)稼働中2024/01/102027/01/09132000
AST-004営業ノートPC(LX-12)故障2021/11/202024/11/19118000
AST-005開発デスクトップ(DT-11)稼働中2023/06/012026/05/31145000
AST-006開発ノートPC(LX-14)稼働中2024/03/122027/03/11132000
AST-007情シスサーバー機(SV-2)稼働中2022/02/082025/02/07310000
AST-008情シスノートPC(LX-12)廃棄2020/08/192023/08/18118000
操作手順(リボン操作)
  1. 状態列のデータ範囲(D2:D9)を選択する
  2. 『データ』タブ→『データの入力規則』を開く
  3. 『設定』タブで入力値の種類を『リスト』に変更する
  4. 『元の値』欄に「稼働中,予備,故障,廃棄」と半角カンマ区切りで入力する
  5. 『エラーメッセージ』タブで、リスト外の値を入力した際に表示する注意文を設定する(任意)
  6. 『OK』をクリックして設定を確定する

データの入力規則(セルに入力できる値の種類や範囲を制限する機能)で「リスト」を選び、元の値に稼働中,予備,故障,廃棄と指定すると、そのセルをクリックしたときにプルダウンの矢印が表示され、リストにある4つの中からしか選べなくなります。リストにない文字(例えば「使用中」)を直接入力しようとすると、既定のエラーメッセージが表示されて入力そのものが止まるため、表記ゆれを防げます。この機能はあくまで今後の新規入力を制限するものなので、すでに入力済みの8件の値には何も変化はありません。

安全メモ:入力規則はあくまで今後の新規入力を防ぐ機能で、すでに入力済みの値を自動的にチェック・修正するわけではない点に注意してください。また『元の値』を入力する際の区切りは半角カンマです。日本語入力モードのまま入力すると全角カンマになり、リストが正しく認識されないので気をつけましょう。

4. 関数・集計案件

案件 No.03 | Lv1 参照・集計

資産の合計金額と平均を教えてほしい

依頼:「この資産管理表の単価のところなんだけど、全部でいくらになるのか、あと平均単価と件数もついでにさらっと教えてもらえる?表の中身自体はいじらないでほしいんだけど。」

対象は案件No.1と同じ8行の資産管理表(A1:G9)で、単価はG列(G2:G9)に入力されています。表の中身は変更せず、別のセルに計算結果だけを表示します。

  1. (受)依頼者に、知りたいのは単価(G列)の合計・平均・件数であること、既存のA〜G列は変更してほしくないことを確認します。
  2. (見)資産管理表を開き、単価がG列に入っていること、データが2行目から9行目(G2:G9)の8件であることを確認します。数式を入れられる空いたセル(I列・J列など)も確認します。
  3. (決)SUM関数(指定した範囲の数値をすべて足し算する関数)、AVERAGE関数(指定した範囲の数値の平均を計算する関数)、COUNTA関数(指定した範囲のうち空白でないセルの個数を数える関数)を、表の外側の空いたセルに入力する方針を決めます。元データ(A1:G9)は変更しません。
  4. (動)I2に「合計」、I3に「平均」、I4に「件数」とラベルを入力し、J2に=SUM(G2:G9)、J3に=AVERAGE(G2:G9)、J4に=COUNTA(G2:G9)を入力します。
  5. (確)J2が1,181,000、J3が147,625、J4が8と表示されていることを確認し、G2:G9の元の数値が変更されていないこともあわせて確認します。
  6. (残)依頼者へ、単価の合計が1,181,000円、平均が147,625円、件数が8件であることを報告し、集計用のセル(I2:J4)を追加しただけで元の表は変更していない旨を伝えます。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
資産管理表(単価列 G2:G9)
資産番号単価(円)
AST-001128,000
AST-00298,000
AST-003132,000
AST-004118,000
AST-005145,000
AST-006132,000
AST-007310,000
AST-008118,000
入力する数式
セル入力する数式表示される結果
J2=SUM(G2:G9)1,181,000円
J3=AVERAGE(G2:G9)147,625円
J4=COUNTA(G2:G9)8件

SUM関数にG2:G9を指定すると、単価8件をすべて足し算した1,181,000円が求められます。AVERAGE関数は指定した範囲の合計を件数で自動的に割ってくれるので、147,625円という平均単価が求まります。COUNTA関数でG2:G9を数えると、数値が入っている行が8件であることが確認できます。3つとも範囲を指定して呼び出すだけの数式で、G列の元の数値そのものを書き換えることはありません。

安全メモ:集計用の数式は、元データがあるA〜G列とは別の列(例:I列・J列)に入力し、既存のセルを誤って上書きしないようにします。SUM(G2:G9)のように範囲を指定するときは、9行目まできちんと含まれているか(データのない10行目以降まで範囲を広げていないか)を入力後に見直します。

案件 No.04 | Lv2 列の追加

保証期限切れの機器を自動で分かるようにしてほしい

依頼:「この資産管理表、保証がもう切れてる機器がどれかパッと見て分からないんだよね。今日の日付と保証終了日を比べて、切れてたら『要確認』って出るような列を追加してもらえないかな。」

対象は案件No.1・No.3と同じ8行の資産管理表(A1:G9)で、保証終了日はF列(F2:F9)に入力されています。今日の日付は2026/08/30という想定で、これより前の日付なら保証期限切れとみなします。

ここで使うセル参照は相対参照(通常のセル参照。数式をコピーすると、参照するセルの行や列が自動的にずれていく書き方)です。あとで入力するH2の数式をH3〜H9にコピーすると、F2への参照もF3、F4…と自動的にずれていくため、1つの数式を作るだけで済みます。一方、コピーしても参照先が動かない書き方を絶対参照といい、案件No.05で使います。相対参照は「ずれてくれる」、絶対参照は「ずれない」と覚えると区別しやすいです。

  1. (受)依頼者に、判定の基準日は今日の日付でよいか、期限切れの表示は「要確認」という文字でよいか、既存のA〜G列は変更してよいかを確認します。
  2. (見)F列(F2:F9)に入っている保証終了日8件のデータを確認し、その右隣のH列がまだ空いていることを確認します。
  3. (決)H列に「保証チェック」という見出しを追加し、IF関数(条件によって表示する内容を変える関数)とTODAY関数(パソコンの今日の日付を自動で表示する関数)を組み合わせて、F列の日付が今日より前なら「要確認」、そうでなければ空欄にする数式を入れる方針を決めます。
  4. (動)H1に「保証チェック」と入力し、H2に=IF(F2<TODAY(),"要確認","")と入力したうえで、H2の数式をH3からH9までコピー(オートフィル)します。
  5. (確)H列を上から順に確認し、AST-003とAST-006だけが空欄で、残り6件(AST-001, AST-002, AST-004, AST-005, AST-007, AST-008)に「要確認」と表示されていることを、F列の日付と見比べて確認します。
  6. (残)依頼者へ、8件中6件(AST-001, AST-002, AST-004, AST-005, AST-007, AST-008)が保証期限切れで「要確認」と表示されたことを報告します。AST-003とAST-006は保証がまだ先のため、空欄になっていることも伝えます。あわせて、TODAY関数を使っているので、表示結果は表を開いた日の日付によって変わりうる点も伝えます。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
資産管理表(保証終了日F列と保証チェックH列)
資産番号保証終了日(F列)保証チェック(H列)
AST-0012026/04/02要確認
AST-0022025/09/14要確認
AST-0032027/01/09(空欄)
AST-0042024/11/19要確認
AST-0052026/05/31要確認
AST-0062027/03/11(空欄)
AST-0072025/02/07要確認
AST-0082023/08/18要確認
操作手順(リボン操作)
  1. H1セルをクリックして「保証チェック」と入力する
  2. H2セルを選択し、数式バーに =IF(F2<TODAY(),"要確認","") と入力してEnterキーを押す
  3. H2セルを選択した状態でセル右下の小さな四角(フィルハンドル)をH9までドラッグし、数式をコピーする(オートフィル)
入力する数式
セル入力する数式表示される結果
H2=IF(F2<TODAY(),"要確認","")要確認(F2=2026/04/02は今日より前)
H4=IF(F4<TODAY(),"要確認","")(空欄)(F4=2027/01/09は今日より先)
H9=IF(F9<TODAY(),"要確認","")要確認(F9=2023/08/18は今日より前)

TODAY関数は、パソコンの今日の日付(ここでは2026/08/30という想定)を自動で返してくれる関数です。IF関数は「条件が成り立つなら○○、成り立たないなら△△を表示する」という数式で、ここではF列の保証終了日がTODAY関数の返す今日の日付より前(つまり過去の日付)かどうかを条件にしています。条件が成り立つ行(AST-001, 002, 004, 005, 007, 008)には「要確認」の文字が表示されます。保証終了日がまだ先で条件が成り立たない行(AST-003, AST-006)には、""(何も表示しないという意味の空文字)が入ります。そのため、この2行は結果として空欄に見えます。

安全メモ:TODAY関数は表を開くたびに現在の日付で自動的に再計算されるため、明日以降にこの表を開くと「要確認」になる件数が今日と変わることがあります。数式をH3からH9までコピーするときは、各行がF3、F4…と正しい行のセルを参照しているか(コピー元とずれていないか)を必ず見直します。

5. 検索・照合案件

かんたんに言うとこの章では、「別の表から値を自動で持ってくる」ことと、「条件に合う行だけを数える・合計する」ことを練習します。手で写したり、目で数えたりしていた作業をExcelに肩代わりさせるのが目的です。

案件 No.05 | Lv2 数式の追加

型番を入れたら単価が自動で入るようにしたい

依頼:「今度、新しく4台分の機器を資産管理表に追加することになったんだけど、単価っていつも「機種マスタ」のシートを見ながら手入力してて、正直時間もかかるし、たまに桁を打ち間違えたりするんだよね。機種コードだけ入れたら、機種名と単価が自動で出てくるようにできないかな。」

既にAST-001〜AST-008の行がある資産管理表に、新しく4台分(AST-009〜AST-012)を追加する場面です。単価などの基準になる情報は、別シートの「機種マスタ」(機種コード・機種名・標準単価の3列、4行)にまとまっています。マスタとは、基準となる値を1か所にまとめておく一覧表のことです。

  1. (受)依頼者に、追加する4台分の機種コード、自動で埋めたい列(機種名・単価)、参照先のシート名(機種マスタ)を確認します。
  2. (見)「機種マスタ」シートを開き、機種コードが一番左の列にあること、見出しが機種コード・機種名・標準単価の順であることを確認します。
  3. (決)機種コードを手がかり(検索のキー)にして、VLOOKUP関数(検索値をもとに別表から値を取得する関数)で機種名と単価を自動取得できると判断します。さらに、4行分コピーしても参照範囲がずれないよう、検索範囲は絶対参照(コピーしても参照先が動かないよう$を付ける書き方)にする方針を決めます。
  4. (動)資産管理表にAST-009〜AST-012の4行を追加し、機種コード列に入力します。次に、機種名と単価のセルへVLOOKUP数式を入力します。最後に、セル右下に表示される小さな四角い印(フィルハンドル。ドラッグすると数式や値を隣接セルにコピーできる目印)をドラッグして、4行分にコピーします。
  5. (確)4行それぞれの機種名・単価が「機種マスタ」の内容と一致しているか、機種コードを書き換えたら値が正しく連動して変わるかを確認します。
  6. (残)依頼者へ4行分の入力が完了したことと、今後機種が増えたら「機種マスタ」に追記するだけで同じ数式が使い回せる旨を報告します。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
機種マスタ(検索対象のシート)
機種コード機種名標準単価
LX-12ノートPC LX-12118000
LX-14ノートPC LX-14132000
DT-9デスクトップ DT-998000
SV-2サーバー機 SV-2310000
操作手順(リボン操作)
  1. 『数式』タブ→『関数の挿入』を開き、関数の分類「検索/行列」からVLOOKUPを選ぶ
  2. 『関数の引数』ダイアログ(設定内容を確認・入力する小さな操作画面)を開き、次の4つを指定する。検索値に機種コードのセル、範囲に「機種マスタ」シートのA2:C5、列番号に2(機種名)または3(単価)、検索方法にFALSE(完全に一致する値だけを探す指定)
  3. 数式バーで範囲の参照部分を選択し、F4キーを押して$A$2:$C$5のように絶対参照に切り替える
  4. 入力したセルの右下に表示される■(フィルハンドル)を下にドラッグし、4行分の数式をコピーする
入力する数式
セル入力する数式表示される結果
C10=VLOOKUP(B10,機種マスタ!$A$2:$C$5,2,FALSE)ノートPC LX-14
D10=VLOOKUP(B10,機種マスタ!$A$2:$C$5,3,FALSE)132000
C11=VLOOKUP(B11,機種マスタ!$A$2:$C$5,2,FALSE)デスクトップ DT-9
D11=VLOOKUP(B11,機種マスタ!$A$2:$C$5,3,FALSE)98000
C12=VLOOKUP(B12,機種マスタ!$A$2:$C$5,2,FALSE)ノートPC LX-12
D12=VLOOKUP(B12,機種マスタ!$A$2:$C$5,3,FALSE)118000
C13=VLOOKUP(B13,機種マスタ!$A$2:$C$5,2,FALSE)サーバー機 SV-2
D13=VLOOKUP(B13,機種マスタ!$A$2:$C$5,3,FALSE)310000

VLOOKUP(読み方はブイルックアップ。指定した検索値を別表の一番左の列から探し、同じ行にある指定した列番号の値を取り出す関数)を使うと、機種コードを入力するだけで「機種マスタ」から機種名と単価を自動的に呼び出せます。数式中の範囲部分を$A$2:$C$5のように絶対参照(コピーしても参照先の行列がずれないようにする書き方)にしておくことで、4行分にオートフィル(隣接セルへ数式や値をコピーする機能)でコピーしても検索範囲がずれません。最後の引数をFALSE(完全に一致する値だけを探す指定)にすることで、機種コードが完全に一致する行だけを探し、近い値を誤って拾わないようにしています。新しいバージョンのExcelではXLOOKUP関数(VLOOKUPの後継にあたる検索関数で、検索する列の位置を選ばず使える)でも同じ結果を作れます。たとえばD10セルの単価も、=XLOOKUP(B10,機種マスタ!A2:A5,機種マスタ!C2:C5)(機種マスタのA2:A5から機種コードを検索し、同じ行のC2:C5(標準単価)の値を返す)のように、列番号を指定せずに書けます。

安全メモ:範囲を絶対参照にし忘れると、オートフィルでコピーした際に2行目以降の検索範囲がずれて#N/A(該当するデータが見つからない、という意味のエラー)になるので、コピー後は必ず4行とも正しい値になっているか目視で確認します。また「機種マスタ」側の表記が資産管理表と少しでも違うと、一致せずエラーになります。半角と全角の違いや、余分なスペースが1つあるだけでも一致しません。そのため機種コードは、マスタからコピーして貼り付けるか、入力規則のプルダウンから選ぶ方が安全です。

案件 No.06 | Lv2 集計表の作成

8月のPC関連の問い合わせ件数を知りたい

依頼:「最近PC関連の問い合わせが増えてる気がするんだよね。「問い合わせ対応記録」の表があるから、8月に入ってPC関連が何件きてて、対応時間の合計がどれくらいか、ちょっと集計して教えてもらえないかな。」

使うのは、総務・営業・開発・情シス(情報システム部門。社内のパソコンやネットワークを管理する部署)など各部署からの「問い合わせ対応記録」表です。受付日・部署・カテゴリ・対応者・対応時間(分)の5列、10行があります。この表を、期間とカテゴリの2つの条件で絞り込んで集計します。

  1. (受)依頼者に、集計したい期間(8月)、対象カテゴリ(PC)、知りたい数値(件数と対応時間の合計)を確認します。
  2. (見)「問い合わせ対応記録」の表を開き、受付日・部署・カテゴリ・対応者・対応時間(分)の5列、10行のデータが入力されていることを確認します。
  3. (決)「受付日が8月」かつ「カテゴリがPC」という複数条件での集計になるため、件数はCOUNTIFS関数(複数の条件すべてに一致する件数を数える関数)、対応時間の合計はSUMIFS関数(複数の条件すべてに一致する数値を合計する関数)を使う方針を決めます。
  4. (動)空いているセルに、受付日が2026/8/1以上かつ2026/8/31以下、カテゴリがPCという条件を指定してCOUNTIFS関数とSUMIFS関数を入力します。
  5. (確)元の10行を目視でも数え、8月かつPCの行が3件(08/02・08/12・08/24)、対応時間の合計が75分になっていることを数式の結果と照らし合わせて確認します。
  6. (残)依頼者へ、8月のPC関連の問い合わせは3件、対応時間の合計は75分だったことを報告し、対象期間・条件と使った数式もあわせて共有します。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
問い合わせ対応記録
受付日部署カテゴリ対応者対応時間(分)
2026/07/03総務PC島田20
2026/07/09営業ネットワーク島田45
2026/07/14開発Excel田中15
2026/07/20総務Excel島田10
2026/07/25情シスPC田中30
2026/08/02営業PC島田25
2026/08/05開発ネットワーク田中50
2026/08/12総務PC島田15
2026/08/18営業Excel田中20
2026/08/24開発PC島田35
操作手順(リボン操作)
  1. 集計結果を表示したいセル(例:H2)を選び、『数式』タブ→『関数の挿入』を開いて、関数の分類「関数の分類:すべて表示」からCOUNTIFSを選ぶ
  2. 『関数の引数』ダイアログで、検索条件範囲1にA2:A11(受付日の列)、検索条件1に">="&DATE(2026,8,1)、検索条件範囲2にA2:A11、検索条件2に"<="&DATE(2026,8,31)、検索条件範囲3にC2:C11(カテゴリの列)、検索条件3に"PC"を入力する
  3. 隣のセル(例:H3)でも同様にSUMIFSを選び、合計対象範囲にE2:E11(対応時間(分)の列)を指定し、検索条件範囲・検索条件はCOUNTIFSと同じ3つを設定する
  4. 数式バーで入力内容を確認し、Enterキーで確定して結果を確認する
入力する数式
セル入力する数式表示される結果
H2=COUNTIFS(A2:A11,">="&DATE(2026,8,1),A2:A11,"<="&DATE(2026,8,31),C2:C11,"PC")3
H3=SUMIFS(E2:E11,A2:A11,">="&DATE(2026,8,1),A2:A11,"<="&DATE(2026,8,31),C2:C11,"PC")75

COUNTIFS関数は、複数の条件をすべて満たす行の件数を数える関数です。ここでは「受付日が2026/8/1以上」「受付日が2026/8/31以下」「カテゴリがPC」という3つの条件をすべて満たす行だけを数えるため、8月のPC関連の問い合わせだけが対象になります。SUMIFS関数も条件の指定方法は同じですが、件数を数える代わりに対応時間(分)の列(E列)を合計するため、条件に一致する行の対応時間だけを足し合わせます。DATE関数(年・月・日の3つの数値を指定して日付のデータを作る関数)を条件の中で使うことで、日付の比較を確実に行えます。比較演算子(>=や<=)は、数式の中では文字列としてしか指定できません。そのため">="のように引用符で囲みます。囲んだ記号を、DATE関数が返す日付の値と&(文字列と値をひとつにつなげる文字列結合演算子)でつなぎます。こうして、はじめて">=2026/8/1"のような1つの検索条件として扱われます。

安全メモ:COUNTIFSとSUMIFSでは、条件に使う範囲(この例ではA2:A11やC2:C11など)の行数をすべて揃える必要があります。範囲の行数が数式ごとにずれていると、正しく集計されないまま気づかないことがあります。そのため、範囲の指定は必ず揃えます。また受付日の列が日付ではなく「文字列」として入力されていると条件による比較がうまく働かないことがあるため、セルが日付として認識されているか(セル内で右揃えに表示されるか)を事前に確認しておくと安全です。

6. データ整理案件

案件 No.07 | Lv1 並べ替え・抽出

開発部の稼働中PCだけを見たい

依頼:「IT資産の一覧、あれに載ってる開発部の機器で、今実際に使えてるやつがどれだけあるか知りたいんだよね。稼働中のものだけ一時的に絞り込んで見せてもらえる?元の表自体はいじらないでそのまま残しておいてほしいんだけど。」

対象は資産番号・部署・機種・状態・購入日・保証終了日・単価(円)の7列からなる8行のIT資産管理表です。表示を一時的に絞り込むだけで、元データの行や内容は一切変更しない、という前提です。

  1. (受)依頼者に、絞り込みはあくまで一時的な表示上の操作であり、8行の元データ自体は変更しないでよいか、対象がこのIT資産管理表全体で間違いないかを確認します。
  2. (見)表全体を眺め、部署列に「開発」、状態列に「稼働中」と入力されている行がどれかをざっと目で追って確認します。
  3. (決)元データを1行も消さずに条件に合う行だけを一時的に表示できる、オートフィルター(並べ替えとフィルター)機能を使う方針を決めます。
  4. (動)表内の任意のセルを選択した状態で「データ」タブの「フィルター」をクリックしてオートフィルターを有効にし、部署の▼から「開発」だけ、状態の▼から「稼働中」だけにチェックを入れて絞り込みます。
  5. (確)絞り込み後に表示されている行がAST-005とAST-006の2件だけになっているか、それ以外の行の行番号が非表示(行番号が飛んで青字)になっているかを確認します。
  6. (残)依頼者へ「開発部で稼働中の機器はAST-005とAST-006の2件」という事実を報告し、フィルターは表示上の設定であって元の8行のデータ自体は変更していない旨を伝えます。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
IT資産管理表(全8行)
資産番号部署機種状態購入日保証終了日単価(円)
AST-001総務ノートPC(LX-14)稼働中2023/04/032026/04/02128000
AST-002総務デスクトップ(DT-9)予備2022/09/152025/09/1498000
AST-003営業ノートPC(LX-14)稼働中2024/01/102027/01/09132000
AST-004営業ノートPC(LX-12)故障2021/11/202024/11/19118000
AST-005開発デスクトップ(DT-11)稼働中2023/06/012026/05/31145000
AST-006開発ノートPC(LX-14)稼働中2024/03/122027/03/11132000
AST-007情シスサーバー機(SV-2)稼働中2022/02/082025/02/07310000
AST-008情シスノートPC(LX-12)廃棄2020/08/192023/08/18118000
操作手順(リボン操作)
  1. 表内の任意のセルをクリックして選択する
  2. 「データ」タブ→「フィルター」をクリックしてオートフィルターを有効にする
  3. 「部署」列見出しの▼をクリックし、「(すべて選択)」のチェックを外してから「開発」だけにチェックを入れて「OK」をクリックする
  4. 「状態」列見出しの▼をクリックし、同様に「(すべて選択)」のチェックを外してから「稼働中」だけにチェックを入れて「OK」をクリックする
  5. 確認が終わったら「データ」タブ→「フィルター」をもう一度クリックしてフィルターを解除する

オートフィルター(表の見出しに▼を付けて、条件に合う行だけを表示する機能。リボンでは「並べ替えとフィルター」の中にあります)は、元の表のデータ自体は書き換えません。条件に合わない行を一時的に隠して表示するだけの機能です。部署列で「開発」だけ、状態列で「稼働中」だけにチェックを入れると、両方の条件を同時に満たす行だけが画面に残ります。今回の表ではこの2つの条件を両方満たすのはAST-005とAST-006だけなので、この2行だけが表示されます。フィルターを解除すれば、いつでも元の8行が表示された状態に戻せます。

安全メモ:フィルターは表示を変えているだけで、隠れた行のデータが消えたわけではありません。ファイルを他の人と共有している場合、フィルターをかけたまま保存すると相手が開いたときも絞り込まれた状態で表示されてしまうため、確認が終わったら「データ」タブの「フィルター」をもう一度クリックして解除してから保存すると親切です。

案件 No.08 | Lv2 データ整理

部署名の表記ゆれと重複行を整理してほしい

依頼:「資産管理表に新しく登録してもらったデータなんだけど、部署名の書き方がちょっとバラバラだったり、同じ内容が2回入力されてたりするみたいで……。表記を揃えて、重複してる行もまとめて、1件ずつのきれいな状態にしておいてもらえるかな。」

対象は資産管理表に新たに追加登録された6行(資産番号・部署・機種・状態)です。総務・営業・開発の機器がそれぞれ実質2回ずつ登録されており、AST-014の部署セルには「総務」の前後に見た目では気づきにくい空白が入っている、という前提です。

  1. (受)依頼者に、対象がこの追加登録6行であること、正しい部署名は他の行と同じ「総務」「営業」「開発」に統一してよいかを確認します。
  2. (見)部署列を見比べ、「総務部」と「 総務 」、「開発課」と「開発」のように表記が違う行、およびAST-015とAST-016のように全列が完全に一致している行がないかを確認します。
  3. (決)TRIM関数(文字列の前後の余分な空白を取り除く関数)で空白によるずれを取り除いたうえで、「総務部」→「総務」、「開発課」→「開発」のように言葉そのものが違う表記は手作業で標準の部署名に直し、そのあとで「重複の削除」機能を使う方針を決めます。
  4. (動)まず部署列の隣に作業列を追加し、TRIM関数を6行分入力します。次に、その結果を見ながら「総務部」と「開発課」のセルを標準の部署名に直し、部署列へ「値として貼り付け」(数式ではなく、計算後の文字だけを貼り付ける方法)します。最後に表全体を選択して「データ」タブ→「重複の削除」を開き、比較する列から「資産番号」を外して、「部署」「機種」「状態」の3列だけで実行します。
  5. (確)「重複の削除」実行後のメッセージで削除件数と残った件数を確認し、実際に残った行がAST-013・AST-015・AST-017の3行で、部署名がそれぞれ総務・営業・開発に統一されているかを確認します。
  6. (残)依頼者へ「表記ゆれと重複を整理し、最終的にAST-013(総務,稼働中)・AST-015(営業,予備)・AST-017(開発,稼働中)の3行にまとめた」という事実を報告し、削除したAST-014・AST-016・AST-018は内容が重複していたため取り除いた旨を伝えます。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
追加登録データ(対応前・6行)
資産番号部署機種状態
AST-013総務部ノートPC(LX-12)稼働中
AST-014総務ノートPC(LX-12)稼働中
AST-015営業デスクトップ(DT-9)予備
AST-016営業デスクトップ(DT-9)予備
AST-017開発課ノートPC(LX-14)稼働中
AST-018開発ノートPC(LX-14)稼働中
操作手順(リボン操作)
  1. 部署列の隣(E列など)に作業列を用意し、TRIM関数(例:=TRIM(B2))を6行分入力してコピーする
  2. 作業列の結果を見ながら、「総務部」を「総務」に、「開発課」を「開発」にセルへ直接入力し直す(または「ホーム」タブ→「検索と置換」で一括置換してもよい)
  3. 作業列の内容をコピーし、部署列の上に「貼り付けのオプション」→「値」で貼り付けてから作業列を削除する
  4. 見出し行を含めて表全体を選択し、「データ」タブ→「重複の削除」を開く
  5. 「重複の削除」ダイアログで「資産番号」のチェックを外し、「部署」「機種」「状態」の3列だけにチェックを入れて「OK」をクリックする
入力する数式
セル入力する数式表示される結果
E2=TRIM(B2)総務部
E3=TRIM(B3)総務
E6=TRIM(B6)開発課

TRIM関数(文字列の前後の余分な空白を取り除く関数)を使うと、「 総務 」のように見た目では気づきにくい空白が入ったセルも「総務」という正しい文字列に揃えられます。ただし「総務部」と「総務」、「開発課」と「開発」のように、空白ではなく言葉そのものが違う表記はTRIM関数だけでは統一できないため、他の行と同じ標準の部署名に手作業で直す必要があります。部署名を完全に揃えたうえで「重複の削除」機能を使い、比較する列から資産番号を外して部署・機種・状態の3列だけで判定すると、内容が同じ行をExcelが自動的に見つけ、先に入力されている行だけを残してあとの重複行を削除してくれます。この結果、AST-013・AST-015・AST-017の3行だけが残ります。

安全メモ:「重複の削除」は該当する行を完全に消してしまう操作なので、実行前に別シートやコピーしたファイルに元データを残しておくと、想定と違う結果になったときにすぐ戻せて安心です。また「重複の削除」ダイアログで「資産番号」の列までチェックを入れたまま実行すると、資産番号はすべて異なるため1件も重複と判定されなくなるので、比較する列の選び方を間違えないように注意します。

7. 可視化案件

案件 No.09 | Lv2 集計表の作成

月別・カテゴリ別の件数をまとめた表がほしい

依頼:「問い合わせ対応の記録、月ごととカテゴリごとに何件あったか一覧でパッと見たいんだよね。ピボットテーブルっていう機能を使えば集計表が作れるって聞いたんだけど、元の表はそのまま残しておきたいから、新しいシートに作ってもらえる?」

対象は、7月・8月の「問い合わせ対応記録」10件分の一覧表です(受付日・部署・カテゴリ・対応者・対応時間(分)の5列)。元データの行や列は変更せず、別シートに集計表を作成します。

  1. (受)依頼者が誰で、集計したいのは「月ごと・カテゴリごとの件数」であること、集計表は新しいシートに作ってほしいという要望を確認します。
  2. (見)元の「問い合わせ対応記録」表(受付日・部署・カテゴリ・対応者・対応時間(分)の5列、10行)を開き、受付日とカテゴリの列に空白や表記ゆれ(同じカテゴリなのに書き方が違うこと)がないかを確認します。
  3. (決)元データの行・列は一切変更せず、ピボットテーブル(表のデータをドラッグ操作だけで自動集計・並べ替えできる機能)を新しいシートに作成する方針を決めます。
  4. (動)元データ範囲を選択し、『挿入』タブからピボットテーブルを新しいシートに配置します。次に、行に「受付日」を置いて月単位でグループ化します。さらに列に「カテゴリ」を置き、値に「カテゴリの個数」(各月×カテゴリの組み合わせに何件あるかを数える集計方法)を設定します。
  5. (確)できあがった集計表の7月・8月それぞれのPC・ネットワーク・Excelの件数と合計、右下の総計が、元データを目視で数えた件数と一致しているかを確認します。
  6. (残)集計表を作ったシート名を記録し、依頼者へ「7月はPC2件・ネットワーク1件・Excel2件で合計5件、8月はPC3件・ネットワーク1件・Excel1件で合計5件、総計10件」と件数を報告し、元データは変更していない旨も伝えます。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
問い合わせ対応記録
受付日部署カテゴリ対応者対応時間(分)
2026/07/03総務PC島田20
2026/07/09営業ネットワーク島田45
2026/07/14開発Excel田中15
2026/07/20総務Excel島田10
2026/07/25情シスPC田中30
2026/08/02営業PC島田25
2026/08/05開発ネットワーク田中50
2026/08/12総務PC島田15
2026/08/18営業Excel田中20
2026/08/24開発PC島田35
操作手順(リボン操作)
  1. 元データの表内のどこか1つのセルをクリックして選択する
  2. 『挿入』タブ→『ピボットテーブル』をクリックする
  3. ダイアログ(設定内容を確認・選択する小さな操作画面)で参照範囲(元データの表全体)が正しいことを確認し、『新規ワークシート』を選んで『OK』をクリックする
  4. 右側に表示される『ピボットテーブルのフィールド』作業ウィンドウで「受付日」を『行』欄にドラッグする
  5. 行に追加された日付のセルを右クリックして『グループ化』を選び、単位を『月』にする
  6. 「カテゴリ」を『列』欄にドラッグする
  7. 「カテゴリ」をもう一度『値』欄にドラッグし、集計方法が『個数』になっていることを確認する

ピボットテーブル(表のデータをドラッグ操作だけで自動集計・並べ替えできる機能)は、行・列・値の3つの欄にフィールド(列の項目)をドラッグするだけで、SUMIF(条件に合うデータだけを合計する関数)のような数式を1つずつ入力しなくても集計表を作れます。受付日を『行』に置いて月単位でグループ化すると7月と8月がそれぞれ1行にまとまり、カテゴリを『列』に、カテゴリの個数を『値』に置くことで、月×カテゴリの組み合わせごとの件数が自動的にマス目状に集計されます。今回のデータでは7月がPC2件・ネットワーク1件・Excel2件の合計5件、8月がPC3件・ネットワーク1件・Excel1件の合計5件となり、右下の総計はPC5件・ネットワーク2件・Excel3件の合計10件になります。ピボットテーブルは元データとは別の新しいシートに作られる集計専用の表なので、元の問い合わせ対応記録には一切手を加えずに済みます。

できあがるクロス集計表(縦と横の2つの切り口を組み合わせて数えた表。月×カテゴリ、総計行・総計列つき)
ExcelPCネットワーク総計
7月2215
8月1315
総計35210

次のNo.10では、この表の一番下の総計行にあるカテゴリ名(Excel・PC・ネットワーク)とその件数(3・5・2)をグラフの元データとして使います。

安全メモ:元データの表に空白行や空白列、表記ゆれ(同じカテゴリなのに書き方が違うこと)があると、ピボットテーブルの範囲が正しく認識されず一部の行が集計から漏れることがあるため、作成前に元データを一度見て確認します。また元データを後から修正・追加した場合、ピボットテーブルは自動更新されないので、ピボットテーブル上で右クリックして『更新』を行わないと集計表の数字が古いままになる点にも注意します。

案件 No.10 | Lv1 グラフの追加

会議で使うグラフを作ってほしい

依頼:「さっき作ってもらった集計表、会議の資料に貼りたいんだけど、数字の表のままだと一目で分かりにくいから棒グラフにしてもらえない?カテゴリごとに何件あったか、パッと見て分かるようにしたいんだ。数字自体はいじらなくていいからね。」

対象は、No.9で作成したカテゴリ別件数の集計結果です(PC=5件、ネットワーク=2件、Excel=3件)。この例では、新しいシートのA1:B4(A1:A4がカテゴリ名、B1:B4が件数)にこの集計結果をまとめてある想定です。集計済みの表からグラフ(グラフオブジェクト。セルの上に置かれる図形のような部品)を追加するだけで、元データやピボットテーブルの数値は変更しません。

  1. (受)依頼者から、グラフにしたいのは「カテゴリ別の件数」であることと、会議資料に貼り付けて使うグラフであることを確認します。
  2. (見)No.9で作成した集計表を開き、総計行のPC=5件、ネットワーク=2件、Excel=3件という数値と、グラフの元にするセル範囲を確認します。
  3. (決)表の数値は変更せず、集計済みのカテゴリ名と件数のセルを範囲選択してグラフオブジェクトを追加するだけで依頼に応えられると判断し、件数の比較に適した縦棒グラフを選びます。
  4. (動)カテゴリ名と件数のセル範囲(見出しも含める。A1:B4)を選択し、『挿入』タブ→『グラフ』から縦棒グラフを挿入して、タイトルを「カテゴリ別問い合わせ件数」のように分かりやすく書き換えます。
  5. (確)挿入したグラフの棒の高さがPC=5件、ネットワーク=2件、Excel=3件の順に対応しているかを見た目で確認し、元の集計表・元データの数値が変わっていないことも確かめます。
  6. (残)依頼者へグラフを追加したシート名と位置を報告し、そのまま会議資料に貼り付けて使える状態であること、元データと集計表の数値は変更していないことを伝えます。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
カテゴリ別集計結果(グラフの元データ)
カテゴリ件数
PC5
ネットワーク2
Excel3
操作手順(リボン操作)
  1. 集計表の「カテゴリ」の見出しと件数の数値が入ったセル範囲(A1:B4)をドラッグして選択する(見出し行も範囲に含める)
  2. 『挿入』タブ→『グラフ』グループの『縦棒/横棒グラフの挿入』をクリックする
  3. 一覧から『集合縦棒』を選んでグラフを挿入する
  4. グラフ上部のタイトル部分をクリックして「カテゴリ別問い合わせ件数」など分かりやすいタイトルに書き換える
  5. グラフの枠をドラッグして、会議資料に貼りやすい位置・大きさに配置する

グラフは元になる数値のセルを範囲選択するだけで作成でき、数式の入力は必要ありません。集計済みの表(PC=5件、ネットワーク=2件、Excel=3件)を選んでから『挿入』タブでグラフを追加すると、それぞれの件数に応じた高さの棒が自動的に描かれます。グラフは元のセルとつながっている『見た目の部品』であり、追加してもセルの数値そのものは一切変更されないため、元の集計表や問い合わせ対応記録には影響しません。

安全メモ:グラフの元にする範囲を選ぶときに見出し行(『カテゴリ』の行)を含め忘れると、系列(グラフに描かれるデータのまとまり)の名前や軸のラベルが『系列1』のような分かりにくい表示になるため、範囲選択の際は必ず見出しごと選びます。またグラフは元の集計表と連動しているため、元のピボットテーブルを更新すると自動的にグラフの棒の高さも変わる点も覚えておくとよいです。

8. 印刷・保護案件

かんたんに言うとこの章は「紙に出すときの見せ方」と「他の人に壊されない仕組み」の2本立てです。どちらもセルの値そのものは変えず、表の使われ方だけを整えます。

案件 No.11 | Lv2 印刷設定

A4一枚に収まる報告書として印刷したい

依頼:「この資産管理表、上に報告するのにそのまま印刷したら3ページくらいになっちゃってさ……A4一枚にきれいに収まるようにしてもらえる?あと途中でページが分かれても、2ページ目以降にも項目名の行が出るようにしておいてほしいんだ。」

対象は、資産番号・部署・機種・状態・購入日・保証終了日・単価(円)の8行から成るIT資産管理表(A1:G9)です。上長への報告用に、A4用紙1枚で印刷したいという依頼です。表の値そのものは一切変更しません。

  1. (受)依頼者に、いつまでに必要か、報告先の相手、用紙の向き(縦・横)の希望があるかを確認します。
  2. (見)『表示』タブの『改ページプレビュー(印刷時に何ページ目でどこまで区切られるかを画面上に破線で表示してくれる機能)』で、現在の印刷範囲と何ページに分かれて印刷される想定かをまず確認します。この時点ではまだ何も変更しません。
  3. (決)列数が7列と少ないため用紙の向きは縦のままでよいと判断し、印刷範囲をA1:G9に限定したうえで、拡大縮小印刷で1ページに収める方針を決めます。
  4. (動)次の4つを順番に設定します。印刷範囲を指定し、ページ設定ダイアログでタイトル行(各ページに繰り返し印刷する見出し行)を指定し、拡大縮小印刷を横1×縦1ページにし、余白を調整します。目的は、A4用紙1枚に収めつつ、ページが分かれても列の意味が分かるようにすることです。
  5. (確)『印刷プレビュー』を開き、8行すべてが1ページ内に収まっていること、文字が小さくなりすぎて読めない状態になっていないことを確認します。
  6. (残)上長へ、A4一枚に収まる設定が完了したこと、印刷範囲はA1:G9であること、表の数値やデータ自体は変更していないことを報告します。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
IT資産管理表(印刷対象:A1:G9)
資産番号部署機種状態購入日保証終了日単価(円)
AST-001総務ノートPC(LX-14)稼働中2023/04/032026/04/02128,000
AST-002総務デスクトップ(DT-9)予備2022/09/152025/09/1498,000
AST-003営業ノートPC(LX-14)稼働中2024/01/102027/01/09132,000
AST-004営業ノートPC(LX-12)故障2021/11/202024/11/19118,000
AST-005開発デスクトップ(DT-11)稼働中2023/06/012026/05/31145,000
AST-006開発ノートPC(LX-14)稼働中2024/03/122027/03/11132,000
AST-007情シスサーバー機(SV-2)稼働中2022/02/082025/02/07310,000
AST-008情シスノートPC(LX-12)廃棄2020/08/192023/08/18118,000
操作手順(リボン操作)
  1. 表内のいずれかのセルをクリックし、『ページレイアウト』タブを開く
  2. 表全体(A1:G9)をドラッグで選択し、『ページレイアウト』タブ→『印刷範囲』→『印刷範囲の設定』をクリックする
  3. 『ページレイアウト』タブの『ページ設定』グループ右下の小さい矢印をクリックし、『ページ設定』ダイアログを開く
  4. 『ページ設定』ダイアログの『ページ』タブで『拡大縮小印刷』の『次のページ数に合わせて印刷』を選び、横1×縦1ページに設定する
  5. 『余白』タブで上下左右の余白を狭めに調整し、『水平』(用紙の左右中央に表を配置する設定)にチェックを入れる
  6. 『シート』タブの『タイトル行』欄に「$1:$1」(1行目全体を見出し行として指定する書き方)と入力し、複数ページになっても1行目の見出し行が毎回印刷されるようにする
  7. OKをクリックしてダイアログを閉じ、『ファイル』→『印刷』を開いて印刷プレビューでA4一枚に収まっているかを確認する

『印刷範囲の設定』を行うと、シート内の余分なセルまで印刷されてしまうのを防ぎ、指定した範囲(A1:G9)だけが印刷対象になります。『タイトル行』の指定は、表が複数ページにまたがって印刷される場合でも、2ページ目以降に見出し行(資産番号や部署などの項目名が入った1行目)が繰り返し表示されるようにする機能で、どのページを見ても列の意味が分かるようにするためのものです。『拡大縮小印刷』の『次のページ数に合わせて印刷』は、文字サイズを自動で少しずつ縮小し、指定したページ数(今回は横1×縦1ページ)に収める機能です。今回の表は8行・7列とそれほど大きくないため、余白の調整と組み合わせるだけでA4用紙1枚に収まります。

安全メモ:印刷設定はシートの見え方・印刷され方を変えるだけで、セルの値自体は変更しません。ただし印刷範囲の指定を誤ると必要な行が印刷から漏れることがあるため、設定後は必ず印刷プレビューで8行すべてが表示されているかを確認してから実際に印刷します。

案件 No.12 | Lv3 シート保護

マスタ表を誤って壊されないようにしたい

依頼:「このマスタ表、みんなで見てるんだけど、この前も誰かが数式の入ってたセルをうっかり上書きしちゃっててさ……状態のところだけ更新できればいいから、それ以外は勝手に編集できないようにロックしておいてもらえない?」

対象は同じ8行のIT資産管理表(A〜G列、データはA2:G9)で、No.3で追加した合計・平均・件数の数式(I2:I4のラベルとJ2:J4の数式セル)も同じシートにある。複数人で共有しているシートで、数式が入ったセルなどを誤って上書きされる事故が続いている、という相談を受けた場面です。

  1. (受)依頼者に、これまで誤って上書きされた具体的な箇所(今回はJ2:J4の合計・平均・件数のセル)と、編集を許可したい範囲が状態列(D2:D9)だけでよいかを確認します。
  2. (見)作業前に必ず元ファイルのコピーを取り、コピー側でA2:G9のデータとI2:I4・J2:J4の数式セルの現在の内容を確認します。この時点では保護はまだかけません。
  3. (決)D2:D9(状態列)だけロックを解除し、それ以外の全セル(A〜C列・E〜G列、I2:I4、J2:J4を含む)はロックしたままシート保護をかける方針を決めます。
  4. (動)D2:D9のセルの書式設定でロックを外したうえで、『校閲』タブの『シートの保護』機能を有効にします。
  5. (確)D2:D9のいずれかのセルは実際に編集できること、A列やJ2など保護したセルを編集しようとすると警告メッセージが出て変更できないことを確認します。
  6. (残)関係者へ、シート保護を設定したこと、編集できるのは状態列(D2:D9)だけであること、保護の解除が必要になった場合の連絡先を周知します。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
IT資産管理表(データ範囲:A2:G9、状態列はD列)
資産番号部署機種状態購入日保証終了日単価(円)
AST-001総務ノートPC(LX-14)稼働中2023/04/032026/04/02128,000
AST-002総務デスクトップ(DT-9)予備2022/09/152025/09/1498,000
AST-003営業ノートPC(LX-14)稼働中2024/01/102027/01/09132,000
AST-004営業ノートPC(LX-12)故障2021/11/202024/11/19118,000
AST-005開発デスクトップ(DT-11)稼働中2023/06/012026/05/31145,000
AST-006開発ノートPC(LX-14)稼働中2024/03/122027/03/11132,000
AST-007情シスサーバー機(SV-2)稼働中2022/02/082025/02/07310,000
AST-008情シスノートPC(LX-12)廃棄2020/08/192023/08/18118,000
操作手順(リボン操作)
  1. 作業前に、ファイルを『名前を付けて保存』で複製し、コピーしたファイル側で以降の作業を行う
  2. D2:D9(状態列)をドラッグで選択する
  3. 選択した状態で右クリック→『セルの書式設定』を開き、『保護』タブの『ロック』のチェックを外してOKをクリックする
  4. 『校閲』タブ→『シートの保護』をクリックする
  5. 『シートとロックされたセルの内容を保護する』にチェックが入っていることを確認し、必要であればパスワードを入力する
  6. 許可する操作の一覧で『ロックされたセル範囲の選択』『ロックされていないセル範囲の選択』にチェックが入っていることを確認し、OKをクリックする
  7. パスワードを設定した場合は確認のため同じパスワードを再入力し、保護を確定する
入力する数式
セル入力する数式表示される結果
J2=SUM(G2:G9)1,181,000(既存・No.3で作成、保護対象)
J3=AVERAGE(G2:G9)147,625(既存・No.3で作成、保護対象)
J4=COUNTA(G2:G9)8(既存・No.3で作成、保護対象)

Excelのセルには初期状態で『ロック』という設定(属性)が付いています。ただしこの設定は、『シートの保護』を有効にするまでは何の効果もありません。今回はまず状態列(D2:D9)だけロックを外し、そのあとでシートの保護を有効にします。するとD2:D9だけが編集可能になり、それ以外のセルは編集しようとすると警告が出て変更できなくなります。編集できなくなるセルには、No.3で作成したJ2(=SUM(G2:G9))・J3(=AVERAGE(G2:G9))・J4(=COUNTA(G2:G9))の数式セルも含まれます。こうすることで、合計・平均・件数を計算している数式を誤って書き換えたり消してしまったりする事故を防ぎつつ、日常的に更新が必要な状態列だけは今まで通り入力できる状態を保てます。

安全メモ:シート保護はファイル全体の編集ルールに関わる変更のため、作業前に必ず元ファイルのコピーを取ってから行い、コピー側で設定を試してから本番のファイルに適用します。パスワードを設定した場合は安全な場所に控えて関係者と共有し、保護を設定したこと・編集できる範囲(状態列のみ)をチームに周知したうえで、想定外のセルまでロックして誰も編集できなくなっていないかを一通り確認します。

9. 自動化・総合演習

かんたんに言うとここまでは機能を1つずつ練習してきました。この章では、同じ手作業をボタン1つにまとめる方法(マクロ)と、これまでの機能を全部つないで台帳を1つ作る仕上げに取り組みます。

案件 No.13 | Lv3 マクロ作成

毎月の書式設定をボタン一つでできるようにしたい

依頼:「毎月報告書を作るたびに、見出し行を太字にして色をつけて、表に罫線を引いて、単価のところを桁区切りにして…って、まったく同じ作業を手でやってるんだよね。これ、ボタン一つでできるようにできたりしないかな。」

対象は毎月作成する報告書用のIT資産管理表で、見出し行の太字+背景色、表全体への罫線、単価列の桁区切り表示という3つの書式設定を、毎回手作業で繰り返している。今回はマクロの記録機能(自分が行った操作をそのまま自動で記録し、あとで再現できるようにする機能)を使い、この3つの操作をボタン一つで再現できるようにする。

  1. (受)依頼者から、毎月書式を整えている対象範囲(見出し行・表全体・単価列)と、ボタンを使うのは自分だけか他の人も使うか、対象ファイルが共有ファイルかどうかを確認します。
  2. (見)現状どんな順番で書式設定を手作業しているかを一つずつ実際に操作して洗い出し、対象範囲(見出し行A1:G1、表全体A1:G9、単価列G2:G9)を確認します。この時点ではまだマクロは作りません。
  3. (決)本番シートではなく、コピーしたシート上でマクロの記録機能を試すこと、マクロ名(例:MonthlyFormat)と記録する操作の順番(見出し書式→罫線→桁区切り)を決めます。
  4. (動)コピーしたシート上で『マクロの記録』を開始し、見出し行の太字+背景色、表全体の罫線、単価列の桁区切り表示を順番に操作して記録し、記録終了後にボタン(図形)を作成してマクロを割り当てます。
  5. (確)コピーしたシートで作成したボタンを一度クリックし、記録した3つの書式設定だけが意図した範囲に適用され、値やほかのセルの書式が変わっていないかを確認します。
  6. (残)マクロ名、記録した操作内容(見出し書式・罫線・桁区切り)、ボタンの場所を控え、コピーシートでの確認結果を依頼者へ報告したうえで、本番シートへ適用する時期を相談します。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
マクロに記録する書式設定の操作(コピーしたシート上で記録)
操作順対象範囲設定内容
1見出し行(A1:G1)太字+背景色(塗りつぶし)
2表全体(A1:G9)罫線(格子)
3単価列(G2:G9)桁区切りスタイル(例:128000→128,000)
操作手順(リボン操作)
  1. (未表示の場合)『ファイル』→『オプション』→『リボンのユーザー設定』で『開発』タブにチェックを入れて表示する
  2. 本番シートをコピーし、以降の操作はコピーしたシート上で行う
  3. 『開発』タブ→『マクロの記録』をクリックし、マクロ名(例:MonthlyFormat)を入力してOKを押す
  4. 見出し行(A1:G1)を選択し、『ホーム』タブで太字と背景色(塗りつぶしの色)を設定する
  5. 表全体(A1:G9)を選択し、『ホーム』タブ→『罫線』→『格子』を設定する
  6. 単価列(G2:G9)を選択し、『ホーム』タブ→『桁区切りスタイル』をクリックする
  7. 『開発』タブ→『記録終了』をクリックして記録を止める
  8. 『挿入』タブ→『図形』でボタンの形を描き、右クリック→『マクロの登録』で先ほどのマクロ名を割り当てる
  9. コピーしたシート上で作成したボタンをクリックし、意図した書式だけが適用されるかを確認する

マクロの記録機能(自分が行った操作をそのまま自動で再現できるように記録する機能)を使うと、毎回同じ手順を手作業で繰り返す代わりに、作成したボタンを1回押すだけで同じ書式設定を再現できます。記録した操作は自動的にVBA(Visual Basic for Applications、Excelを操作するためのプログラム言語)のコードとして保存されますが、初心者は記録機能を使うだけでよく、自分でコードを書く必要はありません。ただし、記録されたマクロは『どの範囲を選択してから実行したか』もそのまま覚えています。そのため、別のシートや違う範囲を選択した状態でボタンを押すと、意図しない場所に太字や罫線が適用されてしまいます。ボタンを押す前に、選んでいるシートと範囲を必ず確かめてください。

安全メモ:本番の報告書に直接適用する前に、必ずシートをコピーしたうえでマクロを記録・実行し、結果を確認します。マクロ名と記録した操作の順番(見出し書式→罫線→桁区切り)をメモに残しておくと、後から見直したり他の人に引き継いだりしやすくなります。マクロを保存すると、ファイルの拡張子(ファイル名の最後に付く、種類を表す文字)が.xlsm(マクロ有効ブック)に変わります。保存時にこの点を見落とさないようにします。

案件 No.14 | Lv3 総合演習

ゼロから資産管理台帳を作ってほしい

依頼:「来月からそっちの部署に異動になるんだけど、着任してすぐ使えるIT資産管理台帳が今のところないんだよね。これまで練習してきた表の整形とか関数とか、一通り使う感じで、ゼロから台帳を作ってみてもらえないかな。」

新しく配属された部署には、まだIT資産管理台帳がありません。そこで5件の機器データをもとに、ゼロから台帳を作成します。表の整形・入力規則・SUM/AVERAGE・IF・VLOOKUP・COUNTIFS・フィルター・データ整理・ピボットテーブル・グラフ・印刷設定・シート保護までを、最初から順番に一通り適用します。

  1. (受)上長から、部署のIT資産管理台帳を最初から作ってほしいという依頼を受け、対象データの件数(5件程度)、必要な項目、共有方法や納期を確認します。
  2. (見)白紙のシートの状態を確認し、これまでの案件(No.1〜13)で練習した機能の一覧(整形・入力規則・集計関数・検索関数・条件集計・フィルター・データ整理・ピボット・グラフ・印刷・保護・マクロ)を洗い出して、どの順番で積み上げるか整理します。
  3. (決)表の骨組みと書式(No.1相当)→入力規則(No.2相当)→SUM・AVERAGE・COUNTA(No.3相当)→IF・TODAYによる保証チェック(No.4相当)→VLOOKUPによる内線番号の自動表示(No.5相当)→COUNTIFSによる条件集計(No.6相当)→フィルター(No.7相当)→重複チェックなどのデータ整理(No.8相当)→ピボットテーブル(No.9相当)→グラフ(No.10相当)→印刷設定(No.11相当)→シート保護(No.12相当)、という適用順を決めます。
  4. (動)まず5行の資産データを入力します。そのうえで、次の順に一つずつ設定します。見出し書式・罫線・桁区切り表示(No.1相当)、状態列への入力規則(No.2相当)、単価列のSUM・AVERAGE・COUNTA(No.3相当)、保証終了日へのIFとTODAYを使った保証チェック列(No.4相当)、部署名から内線番号を取得するVLOOKUP列(No.5相当)、「稼働中」かつ「要確認」の件数を数えるCOUNTIFS(No.6相当)、フィルターの設定(No.7相当)、資産番号の重複チェックと表記統一(No.8相当)、部署別・状態別のピボットテーブル(No.9相当)、部署別件数のグラフ化(No.10相当)、印刷範囲・見出し行固定(No.11相当)、シート保護(No.12相当)。
  5. (確)単価列の合計・平均をシート上の表示と電卓で計算し直して一致すること(合計600,000円、平均120,000円)を確認し、保証チェック列の「要確認」件数(3件)が保証終了日の内容と矛盾していないかを見直します。VLOOKUPで表示された内線番号が部署マスタの内容と一致しているか、COUNTIFSの結果(稼働中かつ要確認=2件)を表を数え直しても合っているかを確認し、資産番号に重複がないこと、グラフが部署別件数を正しく表しているかも見ます。シート保護後は入力してよいセルだけが編集できるかもテストします。
  6. (残)どの技術をどの順番で適用したか(表の整形→入力規則→集計関数→条件判定→VLOOKUP→COUNTIFS→フィルター→データ整理→ピボットテーブル→グラフ→印刷設定→シート保護)という手順と、集計結果(合計600,000円、平均120,000円、要確認3件、稼働中かつ要確認2件)を事実として上長に報告し、今後の毎月の更新方法をあわせて確認します。
模範解答を見る(表・数式の例・解説)
新しく作成するIT資産管理台帳(サンプル5行、単価合計600,000円・平均120,000円。内線番号はVLOOKUPで部署マスタから取得)
資産番号部署機種状態購入日保証終了日単価(円)保証チェック内線番号
AST-101総務ノートPC(LX-14)稼働中2024/04/012027/03/31100000101
AST-102営業ノートPC(LX-14)稼働中2023/04/012026/03/31110000要確認102
AST-103開発デスクトップ(DT-9)稼働中2022/04/012025/03/31120000要確認103
AST-104情シスサーバー機(SV-2)予備2024/04/012027/03/31130000104
AST-105営業ノートPC(LX-12)故障2021/04/012024/03/31140000要確認102
操作手順(リボン操作)
  1. 新しいシートに見出し行(資産番号/部署/機種/状態/購入日/保証終了日/単価(円)/保証チェック/内線番号)を入力し、『ホーム』タブで太字+背景色、罫線を設定する
  2. 単価列を選択し、『ホーム』タブ→『桁区切りスタイル』を設定する
  3. 『状態』列を選択し、『データ』タブ→『データの入力規則』でリスト(稼働中/予備/故障)を設定する
  4. 単価列の下(または横)に合計・平均・件数のセルを作り、SUM関数(合計を計算する関数)・AVERAGE関数(平均を計算する関数)・COUNTA関数(空白でないセルの個数を数える関数)を入力する
  5. 保証チェック列に、IF関数(条件によって表示する内容を変える関数)とTODAY関数(今日の日付を返す関数)を組み合わせた数式を入力する
  6. 空いている場所(L1:M5など)に部署名と内線番号を対応させた小さな一覧表(総務=101、営業=102、開発=103、情シス=104)を作り、内線番号列にVLOOKUP関数(検索値をもとに別表から値を取得する関数)を入力して部署ごとの内線番号を自動表示する
  7. 空いているセルにCOUNTIFS関数(複数の条件をすべて満たす行の件数を数える関数)を入力し、状態が『稼働中』かつ保証チェックが『要確認』の件数を数える
  8. 『データ』タブ→『フィルター』を有効にして、部署や状態で一時的に絞り込めるようにする
  9. 『データ』タブ→『重複の削除』で資産番号に重複がないかを確認し、部署名などの表記ゆれがないかもあわせて整える(データ整理)
  10. 『挿入』タブ→『ピボットテーブル』で、部署別・状態別の件数を別シートに集計する
  11. ピボットテーブルの集計結果をもとに『挿入』タブ→『グラフ』(縦棒グラフなど)を作成し、部署別件数を目で見て分かるようにする
  12. 『ページレイアウト』タブ→『印刷範囲の設定』『印刷タイトル』『拡大縮小印刷』でA4一枚に収まるよう設定する
  13. 『校閲』タブ→『シートの保護』で、入力してよいセル(状態列など)だけロックを解除してから保護をかける
入力する数式
セル入力する数式表示される結果
J2=SUM(G2:G6)600,000
J3=AVERAGE(G2:G6)120,000
J4=COUNTA(G2:G6)5
H2=IF(F2<TODAY(),"要確認","")(空欄)
H3=IF(F3<TODAY(),"要確認","")要確認
I2=VLOOKUP(B2,$L$2:$M$5,2,FALSE)101
K2=COUNTIFS(D2:D6,"稼働中",H2:H6,"要確認")2

この台帳は、次の順番で機能を積み上げています。まず表の骨組みと書式を整え、入力ミスを防ぐ入力規則を付けます。次にSUM関数・AVERAGE関数・COUNTA関数(それぞれ指定した範囲の合計・平均・空白でないセルの個数を計算する関数)で集計します。続いてIF関数(条件によって表示する内容を変える関数)とTODAY関数(今日の日付を返す関数)で条件判定を行い、VLOOKUP関数(検索値をもとに別表から値を取得する関数)で部署別の内線番号を自動表示します。さらにCOUNTIFS関数(複数の条件をすべて満たす行の件数を数える関数)で集計し、フィルターや重複チェックなどでデータを整理します。最後にピボットテーブル(表のデータを別の切り口で集計し直す機能)とグラフで見える形にし、シート保護をかけます。単価列G2:G6の合計は100,000+110,000+120,000+130,000+140,000=600,000円で、件数5件で割った平均は120,000円になります。保証チェック列は保証終了日が今日(2026/08/30と仮定)より前の行にだけ「要確認」と表示する数式のため、2026/03/31・2025/03/31・2024/03/31の3行が該当し、2027/03/31の2行は空欄のままになります。内線番号列は、部署名(総務=101、営業=102、開発=103、情シス=104)をもとにVLOOKUP関数で自動表示しており、COUNTIFS関数を使うと「状態が稼働中」かつ「保証チェックが要確認」の行はAST-102・AST-103の2件と分かります。このように、まず変更してよい範囲を広く保ちながら基本機能を一つずつ積み上げ、最後に保護をかけることで、台帳としての完成度と壊されにくさを両立できます。

安全メモ:台帳をゼロから作る演習なので既存ファイルを壊す心配は少ないですが、シート保護をかける前に必ず別名でファイルを保存しておき、パスワードを設定した場合は忘れないよう記録しておきます。関数を入力したセル(H列・I列・J列・K列など)を保護対象から外し忘れると、後から集計式や検索式を誤って上書きされる事故につながるため、保護をかける前に編集可能セルの範囲を必ず見直します。またVLOOKUPの参照範囲(部署マスタ)は絶対参照($L$2:$M$5のように$マークを付けた指定)にしておかないと、セルをコピーしたときに参照範囲がずれてしまうので注意します。

10. 報告の型(事実・推測・未確認)

「残」で書く報告は、CLI操作演習案件パックと同じく、断定と推測を混ぜないことが重要です。次の4行を基本形にします。

報告の基本形① 事実② 推測③ 未確認④ 次の一手
事実:資産管理表の単価列(G2:G9)を集計した結果、合計1,181,000円、平均147,625円(8件)でした。
推測:保証期限切れが多いのはノートPC(LX-14)系の可能性があります。
未確認:故障中のAST-004の代替機の発注状況はまだ確認できていません。
次の一手:保証切れの6件について、担当部署へ更新要否を確認します。
断定しない理由

「終わりました」と言い切ってしまうと、集計対象の範囲や個数を勘違いしたまま報告してしまうことがあります。だからこそ、確かめた事実と、まだ確かめていない推測は分けて書きます。分けて残しておくと、次に同じ表を触る人の手掛かりにもなります。

11. 修了チェックリスト

次のことが自分の言葉で説明できれば、このパックは修了です。

  • 依頼を受けたら、まず対象ファイルのコピーを取ってから確認する(いきなり編集しない)
  • Lv.1〜Lv.3で、操作が元データに与える影響の違いを説明できる
  • SUM/AVERAGE/COUNTA、IF、VLOOKUP(またはXLOOKUP)、COUNTIFS/SUMIFSの使い分けを説明できる
  • 数式を入力したら、別セルでの検算や別の行での再確認を行う習慣がある
  • 結果を「事実・推測・未確認・次の一手」に分けて報告できる
  • 共有ファイルを編集するときの注意点(シート保護、バックアップ、同時編集の確認)を説明できる

次はスキル一覧やSQLの練習へ

Excelでの集計・報告の型を覚えたら、データベースやサーバー構築の学習にも同じ「受・見・決・動・確・残」の考え方が活かせます。

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